人生100年 大切な家族を守る方法!

最後にいただいた言葉は…

健康寿命が長いのは本人はもちろん家族にとってもとてもありがたいです。日本では平均寿命が延び、それに伴い健康寿命も10歳差ぐらいで延び続けています。
日本の健康寿命は男性が約73歳、女性は約75歳といわれています。今回お伝えする方のお父様は101歳10ヶ月と健康寿命が長かったのですが!

相談者の方から最後にいただいた言葉は「父が長く健康で過ごしてくれた事は本当に感謝していますが、大切な家族の話し合いは父の考えも体力的にも柔軟で健康な間にしておくべきでした。たとえ、喧嘩になったとしても・・・!そうすれば、今私たちが費やしている無駄な時間とお金をもっともっと有意義なものに使えたと思います。ぜひ、私たちのような方々を増やさないように頑張ってください!」

最初の相談は数年前!

お義父様(亡くなったご主人の父)がまもなく100歳を迎えられるという女性が相談にお越しになりました。(「私の経験が多くの方のお役に立てれば」とご快諾をいただきましたので書かせていただきます)

ご相談内容は
「主人亡き後も私は義父と同居しております。義父はとても元気で、毎朝ひとりで散歩にいきます。往復1時間かけてスーパーに買い物にもいきます。なんなら電車に乗ってお墓参りにも行くといいますが、こればかりは我慢してもらい車で一緒に行くようにしています。

お肉が大好きで、食事は残す事なく平らげますし毎日必ず晩酌もします。
ただ、義父は日本がまだまだ貧しい時代の田舎生まれで戦争経験者ですから食事を急いで慌てて食べる癖が抜けなく、最近はよく誤嚥をしてむせる事が気になっています。」

「要介護認定区分は要支援1でトイレ・お風呂の介助は必要なく頭もしっかりしている本人は最低10年は元気でいるつもりのようですが、父が存命中に何かとしないといけない事があると思っています。」

「私は義父の相続人にはならないですが、子供たちは相続人になると主人が亡くなる前に聞いています。

実は実家周辺にある複数の土地が親族複数人の名義となっていて、このままにしておくと、相続や将来売却などの話が出た時に、義兄弟や子供たちとトラブルになりかねないのです。

そこで義父が存命中に、この資産をどう繋いでいくのか気持ちを聞いておきたいと私も家族も考えているのですが、義父はまだ元気だから大丈夫と言って話を聞いてくれません。」そんなご相談でした。

色々とヒアリングさせていただき(不動産の名義以外の内容も含めて)、相続対策ロードマップを作成し、お義父様を含めた家族会議を開催して方針を決めていくことを提案もしましたが、お義父様、そして一部のご兄弟内でも意見が分かれ問題点の把握・共有、対策への同意を進める事(家族会議の開催自体)に同意いただけないまましばらく時が過ぎていました。

お久しぶりに連絡いただきました

その相談者の方から、久しぶりに連絡をいただいたのは、まだまだ猛暑厳しい昨年の8月の終わり頃でした。

「実は義父がコロナになりました。ワクチン接種の効果もあるのか4〜5日程度で重症化することもなく元気になったのですが・・・」

ここまでの話しは良かったのですが、まだ先がありました。

「元気になった途端、油断をしたのか庭に出て転倒したんです。庭から助けを呼んだようなのですが早朝だったもので就寝していた私も気づかず、どれほどの時間が経ったのかは不明なままですが、2階で寝ている私に聞こえるように、庭から階段下まで自力で助けを求めに来たのです。

ようやく気づいた私が階段を駆け降りていくと廊下は血だらけで、義父が横たわっていました。すぐに救急車を呼んで病院へ。肋骨3本を骨折・後頭部を数針縫う怪我をし入院することになったのですが、自力歩行は無理で車椅子なしでは移動できない状態になりました。

なぜか記憶なども一気に衰え、病室でなく廊下で車椅子に座ったまま一日中ボーッとしていて、まるで人が変わったようになったのです。」

えっ!「退院ですか?」

「入院から1週間ほどで主治医から入院治療する事も無いので、通院治療にしましょう。あと、4〜5日で退院お願いしますと言われました。いきなりで嘘のよいうですが本当の話です。」

「義父(大正生まれで身長175センチ近い義父)を自宅で介助するのは無理なので、病院に相談してみたら受け入れてくれる施設をヘルパーさんと一緒に探してください、と言われて途方に暮れてしまいました。」

家族が施設探しはインスピレーション?

「他の兄弟の方にも協力をお願いしましたが、すぐには行動できそうになく一任すると言われました。そうと決まれば私が行動するしかなく、まずはペルパーさんの事務所を訪問して情報収集からはじめました。
時間もないので、グループホーム、特養など私がバスで通える範囲で現在空きがある施設を7〜8件抽出してもらい、それぞれの施設内容を聞いて(利便性や費用負担額含めて)5施設まで絞込みました。

この時点で病院の退院日を7日程度延長を依頼しなんとか了解を得ることができホッとしました。(私ひとりでは病院側に負けてしまいそうなので息子夫婦に同行してもらいました)

翌日から私の息子・娘達に頼んで車で施設見学へ、施設の規模や設備などを見て回りました、施設の雰囲気は施設長の考えそして職員さんの年齢層によりイメージがすごく違うんだなと気付かされその差に驚きました。

就寝スペースはどこも全て個室でしたが、そのスペースと施設全体の雰囲気というか空気感とでもいうのか、そういうものと、我々が感じる職員さんへのイメージを総合的に考えてひとつのに絞り込んだのですが、あまりにも時間がなさすぎました。みなさんそうなのでしょうか?私たちは入所する本人では無いので施設を決めることへの「プレッシャー」が色々な意味でとても重かった記憶です。」

こちらが決めても必ず入所できる訳でもないらしく、次は施設側と義父の面談があり、施設の会議で受け入れ可否が決まるとの事でした。断られたら改めて探すしかないのが現実なんだと思い知らされました。
無事、退院予定日までに選んだ施設に入所する事で落ち着いたのですが、家に帰るつもりの義父に説明して自宅とは違うところへ向かうのは酷な状況でした。また、病院から施設への申し送り所見には【認知症】と書かれていました。」

まとめ

判断能力が低下してくると出来なくなることが多々あります。
「相談に来られた時に提示させていただいた相続対策ロードマップ」を実行することもできなくなります。非常に残念ですが、このご家族は多くの時間と無駄なお金を使うことになりました。最後までお読みいただきありがとうございました。皆さん少しだけ真剣に耳を傾けてみてはいかがでしょうか?

「ひとごとではありません。事の重さに早く気づいてください!そして第一歩を踏み出しましょう!」

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この記事を書いた人

北野靖

北野靖

1964年 大阪府堺市生まれ
工学部 経営工学科卒業
ハウスメーカー関連会社にてエクステリア、ランドスケープ設計・営業・施工管理に従事
1995年 「なりたい自分」を目指し個人事業主となる。FP資格取得へ
ライフプラン・生命保険・相続・事業承継相談に従事    
士業など専門家とのネットワーク構築を始める
2001年 FP会社「株式会社シー・アイ・シー総研」設立 代表取締役
財務コンサル・住宅購入サポート・リスクマネジメント・相続コンサル・事業承継サポートなどの実務を多く経験(累計相談件数:7000件以上)
2008年 LLPファイナンシャルコーチ・ジャパン設立に参画
ファイナンシャルコーチ®︎資格を取得
2022年 相続サポートオフィス「我が家相続」設立
これまでの多様な経験をもとに、個人・法人の相続対策や事業承継の専門家である相続コンサルタントとして活動中。相続発生前の相続対策、50歳からのライフデザイン、経営者の事業承継に力を注いでいる。
[趣味]
海が好きで、若い頃からサーフィン、今はsupを楽しんでいます。宝塚観劇

「発生前の相続対策をデザインする」
「相続対策の考え方を変える、円満な相続のために!」
 をモットーに
「あなたに出逢えて本当によかった」そう言っていただける
 相続サポートをいつも心がけています!

 相続コンサルタント/ファイナンシャルコーチ®️
 相続手続きカウンセラー®︎
 株式会社シー・アイ・シー総研 代表取締役
 相続コンサルタント事務所「我が家相続」代表